小説

数年ぶりに数学の文章題を解く。

やり方なんかすっかり忘れてしまったはずなのに、考え方で答えは出る。公式なんか忘れてしまっても、数字がでる。

ひと通り解き終わり、ぼーっとしていると中学時代のことを思い出していた。

中学と言っても、わたしの致命的の数学オンチ(と、思っていた)と向き合ってくれたのはもちろん、塾の先生。

公式なんか覚えればいいだけの話なのに、中々素直にそれをしないわたしに対して、「もぉ~」と言いながらもなんでこの公式が成り立つのかを説明してくれた先生。「要は考え方だからね」と。

ただ数字と向き合うことではなく、生きていくことと、数学の問題を解くことがどこか似ていることを教えてくれた。

完全なる数学オンチだと思っていたわたしに「理系の才能あると思うよ」とぼそりと呟いてくれたことを忘れてしまう日なんて、きっと来ない。

わたしに何ができるのか、わたしが知らないうちに、先生にはそれがきっと見えていて。

わたしが将来何かを考えなきゃいけないときに、何にも縛られないように、いっしょに過ごす間、直接ではないけれど、「お前は大丈夫だよ」って言ってくれていたと、今ならわかる。

アリオリオは、お家のようで、

先生たちは、家族のようで。

アリオリオの毎日は、わたしの生活だったことを思い出した1日。

山根 かの子

年ぶりに数学の文章題を解く。

やり方なんかすっかり忘れてしまったはずなのに、考え方で答えは出る。公式なんか忘れてしまっても、数字がでる。

ひと通り解き終わり、ぼーっとしていると中学時代のことを思い出していた。

中学と言っても、わたしの致命的の数学オンチ(と、思っていた)と向き合ってくれたのはもちろん、塾の先生。

公式なんか覚えればいいだけの話なのに、中々素直にそれをしないわたしに対して、「もぉ~」と言いながらもなんでこの公式が成り立つのかを説明してくれた先生。「要は考え方だからね」と。

ただ数字と向き合うことではなく、生きていくことと、数学の問題を解くことがどこか似ていることを教えてくれた。

完全なる数学オンチだと思っていたわたしに「理系の才能あると思うよ」とぼそりと呟いてくれたことを忘れてしまう日なんて、きっと来ない。

わたしに何ができるのか、わたしが知らないうちに、先生にはそれがきっと見えていて。

わたしが将来何かを考えなきゃいけないときに、何にも縛られないように、いっしょに過ごす間、直接ではないけれど、「お前は大丈夫だよ」って言ってくれていたと、今ならわかる。

アリオリオは、お家のようで、

先生たちは、家族のようで。

アリオリオの毎日は、わたしの生活だったことを思い出した1日。

山根 かの子